おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

想いを寄席る9

さて、第7週のトリの回=第42回は「神回」の呼声が高く、2019年のNHKが集計した朝ドラ名場面の堂々第一位(歴代朝ドラかつアンケート集計対象は全国です)に選ばれました。

八百万の神回」などと突っ込みたくなる昨今の神回オンパレードですが、この回は神回中の神回、天照大神かゼウスみたいな存在です。

落語会当日、喜代美の母親の糸子(和久井映見さん)が渋る草若師匠を半ば強引に落語会に連れていきます。一週間前から落語会で出す手打ちそばの作り方を喜代美に教えるため、家族総出で喜代美のところ(=草若師匠宅)に押しかけていたのでした。

「師匠さんが、父親が、聞いてやらんで誰が聞くんですか!」

「寝床」に詰めかけた満員のお客さんには、床屋の磯七(松尾貴史さん)、仏壇屋の菊江ら常連客の他に、喜代美の家族や、喜代美が手伝いをしているフリーライター緒方奈津子(原沙知絵さん)の姿もあります。さらには草々のライバルの若手落語家、万葉亭柳眉(まんようてい りゅうび  桂よね吉さん)、土佐屋尊建(とさのや そんけん 波岡一喜さん)も顔を見せています。

「錦橋」一門会のシーンで使われました

草々の「寿限無」、四草の「崇徳院」、草原の落語(話のマクラだけで噺に入らず)が終わり、中入りとなりました。草若は戻ってきた二人の弟子の落語をしみじみ振返り、ぽつりぽつりと感想を述べます。そこに喜代美が師匠に言葉を返します。

「ずっとおんなった(福井弁で「居た」の意)んです。草原さんの傍にも、四草さんの傍にも、ずっと師匠さんがおんなったんです。」

四草が住みこんでいた中華飯店ロケ地 食べに行ったら休業でした・・

しみじみとしたところにトリの小草若が登場します。テレビなどで顔を見る売れっ子だけに拍手もひときわ大きくなっています。「底抜けに~ お待たせいたしましたがな」と流行りの自分のギャグで客の笑いを誘います。

マクラで他の弟子たちの芸名の由来を話したのち、自分の芸名について語ります。

「で、私、小草若、小さい草若、小草若、そのままやっちゅうねん」

「でもね、私この名前もろた時にそらもう・・・」「嬉しいてねぇ・」

「なんやこの、いつか小さいという字が取れるように頑張れよと、親父が言うてくれるような気がしましてねぇ・・」

「せやから私、この『寿限無』いう話がものすごう好きでね・・」

なんと小草若は、トリでやるはずの「愛宕山」ではなく、さっき草々が演じた「寿限無」を話し始めたのです。神回の話が続きます。