おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

奇跡の軌跡5

前回はプレオープンの記事をご紹介しましたが、実際に本番開演の日のトップバッターは誰だったのか、記事に残っていました。

そんな期待を受ける一人が入門12年目の桂吉弥(35)。こけら落とし公演のトップバッターに起用された。米朝の孫弟子で、正統派の芸への評価は高く、小劇場の舞台などにも活動の幅を広げる注目株だ。「箱を作ってもらったので、中身はぼくらが作らないと」。言葉にも気合がみなぎる。

繁昌亭

この吉弥さんが、一年後の朝ドラ「ちりとてちん」で草若師匠の一番弟子、徒然亭草原をを演じたわけで、何か見えない縁が感じられるところです。

といっても、NHKのドラマに出演されたのはこれが最初ではなく、平成十六年(2004)の大河ドラマ新選組!」にも出演されていました。演じたのは新選組監察、山崎丞(やまざき すすむ)の役。準主役級ではないものの、池田屋の変前後では重要な役どころです。新選組では珍しく上方出身の隊士であり、自然な関西弁が話せることから抜擢されたのでしょうか。(吉弥さんご夫妻も三谷幸喜さんのファンだったそうですが)

ちりとてちん」の出演は、その「新選組!」の演出を担当されていた方がNHK大阪放送局へ異動したことの縁があって決まったようです。

島之内教会

吉弥さんはその後も大阪放送局制作の連続テレビ小説、「ウェルかめ」「てっぱん」「ごちそうさん」「まんぷく」に端役ながら出演され、令和二年(2020)下期の「おちょやん」では、ナレーターとして黒子で解説役を務められました。

噺家としても、「米朝一門会」(大師匠)「吉朝一門会」(師匠)、ご自身の一門会など精力的に活動されていますが、今でも島之内教会で12月に落語会を開催されていて、今年も12月4日から9日まで「桂吉弥のお仕事です。Special in島之内教会」が開催の予定のようです。寄席の原点を忘れない噺家の意気を感じます。

繁昌亭についてもう少し語ったのち、軌跡を継ぐ方たちについても触れていきます。