おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

大坂の中心で 痛ぁい!を叫ぶ5

町奉行跡部良弼は馬上の人となり、馬印となる纏(まとい)と案内役の家臣の後に奉行所側の軍勢が続きます。奉行所を出て西に進みます。大塩勢はというと、平野橋を渡ったあたりに集まっていました。下の地図でいうと「平野町通」を東(右方向)に進み、川を渡ったその先のあたりです。

今橋 土佐堀川から別れ南北に流れる東横堀川に架かる一番北にある橋です

奉行所側の纏を見つけた大塩側から大筒が放たれました。それに対し坂本が十匁筒を撃つと、配下の同心も射撃、最初の戦い「平野町の戦い」です。

大塩軍は初めて奉行所側の攻撃を受けたことに驚いたのか、300人まで増えていた軍勢(?)のうち、半分以上が逃げ散り、いったん西方面に退却しました。

退却後、大塩勢が終結したのが、淡路町通りと堺筋の交差する地点(下の地図で青い四角の左上隅)でした。一方奉行所側は思案橋(現在の「大手橋」、上の地図では「入手しよう」の文字のあたり)を西へ向かうと瓦町通りを西へ堺筋方面に向かいます。

二つの戦場の周辺地図 地図の一区画(ブロック)は約60m四方

上の青い実線で区切った地域での戦いが「淡路町の戦い」です。この戦いで北の淡路町通りの大塩勢と、南の瓦町通りの奉行所勢との距離はわずかに一町(約109m)だったといいます。奉行所勢を実質的に率いた坂本からは、大塩勢の大筒の銃口が見え、そこへ向け銃(火縄銃)を撃ちます。大塩側も応戦、中に水桶の陰から坂本に狙いを定める者がいました。

それに坂本の同僚、本多為助が気づき声を掛けますが、銃を構えて敵を狙う坂本には届きません。大塩軍の銃弾はわずかに逸れ坂本の陣笠を撃ち抜きました。

一方、坂本は大塩方の大筒の砲手に狙いを定めていましたが、大筒や台車が邪魔で撃つことができません。が、大塩軍が西に向かって退こうとした瞬間、坂本の銃から銃弾が放たれました。

その銃弾は・・その話は次回で。