おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

白猫は招くよ3

もうひとつは、浅草浅草寺境内に、今戸焼の土人形を作り、売って生業としていた老夫婦がいました。

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浅草寺 浅草文化観光センター屋上から

老夫婦は猫を飼い可愛がっていましたが、ある時知り合いの飼っていた小鳥を殺めてしまいました。猫はその責任を感じたのか、井戸に身を投げて死んでしまいます。

その猫が病にかかった老婆の夢に現れ、小鳥を殺してしまったことを詫び「今後はあなたを守りどのような病でも全快させましょう」と告げました。仲間の今戸焼屋が作った猫が、愛猫に似ていたことから、それを拝んだところ、たちまち病が治りました。

それが評判になり、猫の人形が浅草神社境内で売られるようになり、今に至るというものです。

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今戸神社本殿 大きな招き猫が

嘉永5年(1852)に安藤広重によって描かれた錦絵にも今戸焼の丸〆猫が売られている様子が描かれています。「浄るり町繁花の圖(図)」で検索すると、国立国会図書館デジタルコレクションで見ることができます。(4/10コマ 左上)ここでのポーズは、前回紹介した横座りで頭を正面向きにして招く、身体をひねったポーズです。

これをもって今戸神社は招き猫発祥の地を名乗っているわけですが、それ以外にも発祥の地といわれている場所が江戸の地にあります。次回以降ご紹介してまいります。