おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

台場だったの魂宿し~レインボーブリッジの傍で3

お台場公園(第三台場)の砲台跡近くにでは面白い試みがありました。

砲台跡に大砲を合成して写真が撮影(スクショ)できます

看板に掲載されたQRコードを読み込ませて、砲台に画面を合わせることでARで復元した大砲が表示されるというものです。

実際、台場公園は殺風景な広場という感じなので、子供を連れて行っても、歴史好きでもない限りそれほど楽しい場所とはいえませんが、こうした再現映像や解説ナレーションなどの工夫があれば、もっと身近に興味を持ってみてもらえるのかもしれません。

話は台場築造の時期に戻ります。設計にあたって英龍は西洋式の築造技術を接触的に取り入れるため、木製の模型を作っています。

T実際の台場築造前に作成された木造模型(江川邸内展示)

模型は西洋の築城書と同じように作られたこの模型は実際に築造された台場の形と比較すると、中央部分の五角形はほぼ同じですが、左右に張り出した翼のような部分は造られていません。翼部分まで造るには時間も費用も足りなかったのでしょうか。

今のような埋め立て技術がない時代、海中に松の丸太の杭を打ち込んで、縄で繋ぎ、海底から水上までを石・砂利で土台を築いた後、更にその上に石垣を組み上げています。

第三台場の石垣

松の丸太がこうした場所に使われるのは、松脂が水滴をはじくことから水に強いことからですが、台場築造のために、関東一円から松・杉・その他雑木の調達が行われています。また、石垣については英龍の支配地である伊豆などから石材を集めています。

前回、一~三番、四・五番と、別途品川御殿下に建設した台場の六基のみ完成したことと、現在の湾内には三・六番の台場のみが残され、第三台場が公園となって残されていることをご紹介しました。

第六台場(レインボーブリッジより)

元々、それぞれの台場は全て人工島のようになっていましたが、第三台場のみ陸続きとして自由に出入りできるのに対し、第六台場は現在も島となっていて上陸も禁止されています。

もうひとつ、跡が残された台場が、北品川から歩いて10分弱のところにある品川御殿山下台場跡ですが、こちらについては次回に。