おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

小さく生んで大奥育てる

ようこそのお運び、厚く御礼申し上げます。NHKの火曜ドラマ「大奥」を楽しみに観ています。次回がもう吉宗篇の最終回ですが、秋にもシーズン2の放送が決定していて、幕末まで繋がるそうです。先が気になって、原作の漫画も一気買いしてしまいました。
さて、男女が逆転しているとはいえ、江戸城内に大奥は存在した場所であり組織でした。wikipediaでは「江戸城に存在した将軍家の子女や正室・奥女中(御殿女中)たちの居所」と書かれています。

将軍の居住地であり、政治の場でもあった江戸城

政治や儀式を執り行う「表」に対して、日常生活の場を「奥」という名で表していたのを、将軍家の「奥」を指して「大奥」と呼んだわけです。(大名家でも使われた例もあるようですが)
写真は江戸城本丸御殿の図ですが、手前に「大奥」の文字が見えます。狭い意味での「大奥」とはこの場所を指します。一方で西の丸と二の丸にもそれぞれ「大奥」があり、広い意味ではそれらも総称します。

天守閣跡にある本丸御殿地図

本丸の大奥には将軍夫妻、二丸には将軍の生母や先代以前の将軍に仕えていた側室が、西丸には世嗣(つまり次期将軍ということですね)夫妻や大御所夫妻が生活していました。

地図拡大部分 右上に「御鈴廊下」の文字が見えます

さて、先程の写真の一部(右中央〜下)を拡大すると「御鈴廊下」(おすずろうか)の文字が見えます。ドラマをご覧の方はもうお気づきかと思いますが、鈴の音シャンシャンの後「将軍のおな〜り〜」で、将軍以下の面々が通っていく廊下です。

「中奥」と「大奥」のを繋ぐ唯一の廊下が、この「御鈴廊下」にあたります。将軍が大奥へ出入りする際に、まさにあのシーンのように鈴のついた紐を引いて鈴を鳴らします。それにより出入口の「御錠口」(おじょうぐち)の開錠の合図をしていました。

大奥に入っていくシーンが頭に浮かんだところで、大奥とその舞台で歴史に名を残した人々について触れていきたいと思います。