ようこそのお運び、厚く御礼申し上げます。
大阪に単身赴任の辞令が出たとき、いくつ目かに思い浮かんだのが、(最初ではないです)「芦屋の旧山邑邸を見に行ける!」というものでした。正確には「旧山邑邸」という固有名詞は出てこず、「芦屋のアレを見に行ける!」と思ったのですが。
話は一年さかのぼって昨年の7月、「名建築で昼食を」(このブログでは第二弾「大阪編」開始前に触れました)の第二話で紹介された、池袋にある「自由学園明日館」(じゆうがくえん みょうにちかん)を見に行きました。
大正十年(1921)に女学校として開校された「自由学園」の校舎となったこの建物を設計したのは、フランク・ロイド・ライトとその弟子遠藤新(えんどう あらた)。
当時、この建築家の名前は、旧帝国ホテルの建築設計者であり、そのホテルの玄関を犬山の明治村で見たということと、漫画「ギャラリー・フェイク」の中に登場したことくらいしか知りませんでしたが、この明日館を見学してすっかり魅了されました。そして明日館で紹介されていた、ライト建築の日本に現存する数少ない建物のうちの一つが、この芦屋の「旧山邑邸」(現・ヨドコウ迎賓館)だったのです。
この項では、ライトが日本にやってきたときのエピソードや、明日館と旧山邑邸について(明治村は云ったことあるものの、直近がもう20年近く前で、手元に写真がなく、並行してご紹介できません)ご紹介していきたいと思います。