おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

自由な明日は、芦屋で光(ライト)を堪能

フランク・ロイド・ライトは主にアメリカの建築家で、「近代建築の三大巨匠」の一人として知られています。あとの二人はというと、

ミース・ファン・デル・ローエ(ドイツの建築家)

ル・コルビュジエ(スイスの建築家)

ですが、日本国内に作品がある(残る)のはライト(4件)とコルビジェ(1件)。日本国内のライトの作品4件を製作年順に並べると、

旧林愛作邸(1917・現電通八星園)

帝国ホテル(1923・正面玄関等一部分のみ明治村に保存)

旧山邑邸(1923・現ヨドコウ迎賓館)

旧山邑邸 入口(玄関)付近

自由学園明日館(1926)

明日館を斜めから

最初の旧林愛作邸は、駒沢にあり、現電通八星園という名称にはなっているものの、保有者である電通は令和三年(2021)に住友不動産にこの物件を売却、すでに引渡も完了しています。ですからそのうちに「住友八星園」と呼称が変わるかもしれません。いずれにしても通常は非公開で見学することはできませんし、明治村に移築された帝国ホテルは一部分を見られるだけです。

そのため、ライト建築の内部を見て回ることのできるのは、関東・関西に1件ずつということになります。

さて、ライトは大正六年(1917)に仕事のため来日しています。これは前年に契約を締結した、帝国ホテル新館の設計にあたるためです。この契約を結んだのが、帝国ホテルの支配人、林愛作でした。そう、日本での最初の作品は帝国ホテル支配人の私邸だったわけですね。

世界的な建築家であるライトがわざわざ日本にきて仕事を引き受けてくれたのは、当時の彼が自身のスキャンダルにより仕事が激減したことろへの渡りに船的な話だったから、と言われています。当時のライトをめぐる話については次回で。