おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

舟を呑む

本題に入る前に、先週から始まったBSプレミアムドラマ「舟を編む」の話を(この項の題名の元です)。2012年に本屋大賞を受賞し、2013年に映画化されました。今回のドラマは原作では脇役だった「岸辺みどり」(映画では黒木華さん演)を主人公に話が進んでいきます。主演は池田エライザさん。読者モデルからファッション雑誌編集者として勤めていましたが、出版不況で雑誌が廃刊(WEB化)、辞書編集部へ異動するところが18日の初回でした。

元の主人公、「馬締光也(まじめ みつや)」は映画の松田龍平さんから野田洋次郎さんへ。無口なキャラクターだったのが、やたらしゃべるキャラクターに変貌していますが、変人ぶりはしっかり受け継いでいます。このドラマの企画、10年越しのものだそうで、これからどう展開していくのか、今夜の第二話が楽しみです。

伊丹の酒が近畿地方のみならず、江戸へも運ばれて行きました

さて、鴻池(山中)家が作った酒は、

・大量の仕込み(生産)が可能

・不純物が少ない(濾過・火入れ)ので劣化しにくい

という特長がありました。それは長距離の輸送にも品質を下げずに売ることが可能、ということです。さらには戦乱の世が終わったことで野盗などの襲撃を恐れずに輸送することもできるようになりました。

さらには、徳川家康が江戸に幕府を開いたことで江戸という一大消費地が関東に生まれました。これにより、伊丹の酒は江戸にまで運ばれるようになりました。

そのルートは、伊丹から神崎(現在の尼崎市)までは陸路を進みます。馬借(運搬業者)によって大阪に運ばれるのですが、運ぶ側のモラルが低かった時代、「途中で中野酒を抜くな」というピンハネを禁じた取り決めなどもあったようです。

神崎からは川を舟で下り、大坂の伝法(でんぽう)、安治川口あじがわぐち)という河口のあたりに集積されました。

ここから船で江戸まで運ばれるのですが、次回は運搬のための樽の話を。