おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

花は桜木、浪花節

鴻池の話は途中なのですが、今年の桜が終わる前に書いておきたいことがあり、ここから何回か桜の話にお付き合いください。

3年前の3月からブログを始め、最初の方で「ソメイヨシノ」(染井吉野)についてご紹介しました。江戸園芸が生み出した頂点の一つであり、今日本の桜の七割から八割を占めている現状は、この桜が愛された結果といえます。

柏市 あけぼの山公園

さいたま県幸手市 権現堂堤の桜と菜の花

が、昨年の春、満開のソメイヨシノの並木を見て、空を覆い尽くすような花を楽しもうとすると、もう一人の私が天邪鬼にも耳元で囁きます。「数の暴力」と。

千葉県市川市 里見公園分園の桜

その囁きをもたらしたのは、その前年に見た巨大な一本桜の印象が強かったからでしょうか。千葉印西市の「吉高の大桜」と茨城県龍ヶ崎市の「般若院の枝垂れ桜」

吉高の大桜(ヤマザクラ

名前のつけられている一本桜が尊いというのではなく、桜の個性があって、その一本の樹の周りだけをぐるぐると回っていたくなる魅力を感じました。

般若院の枝垂れ桜(エドヒガン)

一斉に同じ時期同じ色に咲き誇るソメイヨシノには、数十本数百本の桜の樹が有無を言わせずに迫ってくる「数の暴力」というか圧力を感じるだけでなく、なんだか個性に欠け、物足りない印象を受けます。もちろんソメイヨシノに罪はないですが、春にそればかりを有難がるのに少し違和感というか引いた感じを持ったのかも知れません。

昨年の桜の季節が終わり、会社から異動辞令が出て大阪に単身赴任となり、夏秋冬を過ごしながら、関西の桜を楽しみにしているうちに「数の暴力」のことは忘れてしまっていました。

鴻池をテーマにブログを書くため、伊丹から清酒の流れで魚崎や西宮の酒蔵を巡り、このブログでも紹介した「白鹿酒蔵館」を訪れ、併設の「酒造記念館」を見学した時の事です。この記念館は「日本でただ一つの『日本酒』と『さくら』の博物館」であり、そこで「桜男」なる人物を知るのですが、「桜男」については次回に。

桜、咲くに見惚れる - おっさんの街歩き(忠敬に憧れて) (hatenablog.com)