おっさんの街歩き(忠敬に憧れて)

首都圏周辺の見て歩きや気になった本やドラマなどについて語ります

えんま異なもの味なもの8

右の部屋に目を向けたところ、閻魔像がもうひとつお座りでした。

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華徳院 右の部屋の閻魔さま お供えの林檎と比べると、釘抜きの大きさがわかります

お顔が真っ赤に塗られていない分、お顔がリアルに恐ろしげなのと、ひざ下に置かれた釘抜きの大きなこと・・閻魔さまの左奥には地獄図が置かれているのも印象的です。

本堂に閻魔さまが二体、???という感じですが、お寺の案内板をよく読み返してみると、つぎのようなことが理解できました。

本堂中央の閻魔さま・・・昭和三年に本堂が再建された際に牛込千住院行元寺から迎えられたもの

右の部屋の閻魔さま・・・境外堂が建てられた際に日光輪王寺より迎えたもの(大正十二年の関東大震災以降、本堂再建より前)

いずれにしても、本来の江戸三閻魔だった浅草蔵前の時代のものは、残念ながら残されてはいないということです。しかしながら、今に伝えられた二体の閻魔さまは、十分に役割を果たされていると感じました。

 

江戸三閻魔の最後は、都営三田線「西巣鴨」駅から五分くらい(実際に行ったときは、途中曲がるところを間違えて10分以上かかってしまいました)のところにある「善養寺」です。

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西巣鴨 善養寺 門の先にすぐ本堂が見えます

こちらのお寺も、明治45年(1912)に現在の位置に移転されました。寺伝によると、開創は9世紀前半といいますから、相当に歴史のある寺院です。江戸時代は現在の上野~鶯谷の線路上に寺域があったらしく、移転の理由は「鉄道建設のため」。今では考えられない話ですが、文明開化、西洋に追いつき追い越せの時代ですから、インフラ整備が至上命題だったのでしょう。

善養寺についてはまた次回ご紹介します。